「墨と金-狩野派の絵画-」

2018.1.10水 根津美術館

根津美術館企画展、2018年の最初は狩野派。過去の様々な絵画技術を統合し、真行草という絵画の「型」をつくりだし、幕府の御用絵師としてその地位を盤石のものとした一大絵師集団。伝狩野正信(狩野派初代)の「観瀑図」から、正信の子・二代元信と伝わる「養蚕機織図屏風」、探幽「両帝図屏風」、尚信「山水花鳥図屏風」とう六曲一双の大作3つと、時代を追ってみることができる。

個人的に好きだった3作。

・芸阿弥筆「観瀑図」1幅 紙本墨画淡彩 重要文化財 文明12年(1480)根津美術館/足利将軍の同朋衆であった芸阿弥の作品が残っていることそのものに驚かされた。南宋の夏珪の画風に倣った生真面目な画面。

・狩野尚信筆「山水花鳥図屏風」六曲一双 資本墨画淡彩 江戸時代・17世紀 根津美術館/尚信は探幽の弟。真行草のうち、まさに草のラフな筆致。風景らしい風景はほとんど描かれていないのに、中央の余白には輝く水面が広がっているように見える!涼やかな風も吹いてきそう。いいなあ、この自由な感じ。

狩野山雪筆「梟鶏図」2幅 資本墨画淡彩 江戸時代・17世紀 根津美術館/梟も鶏も、あまりに人間臭くて可愛すぎ!梟はとぼけているし、鶏は性格悪そうな顔してるし。根津美術館の隠れた名品だと思う。

「墨と金」という展覧会なのに、好きな絵はほとんど墨画。。。2階では新春恒例、伝狩野山楽「百椿図」を展示。ちりとりに椿をあしらったりと、江戸時代のフラワーアレンジもなかなか奇をてらっていますね。

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