ロイヤル・バレエ シネマ「くるみ割り人形」 The Nutcracker

2018/1/21日 13:00~

振付:ピーター・ライト 
音楽:ピョートル・チャイコフスキー 
指揮:バリー・ワーズワース 
出演 
クララ:フランチェスカ・ヘイワード、金平糖の精:サラ・ラム、ドロッセルマイヤー:ギャリー・エイヴィス(ドロッセルマイヤー)、王子:スティーヴン・マックレー、ハンス・ピーター/くるみ割り人形:アレクサンダー・キャンベル 
上演時間:2時間40分 

サラ・ラムの 金平糖の精、 スティーヴン・マックレーの王子が観たくて映画館へ。このふたりが「くるみ」で組むのはこれが初めて、とはびっくり。ピーター・ライト版は呪いによってくるみ割り人形にされてしまったドロッセルマイヤーの甥ハンス・ピーターを救うために、ネズミの王を倒すという設定となっている。ロイヤルらしい豪華でいてシックな装置はまさにヴィクトリア朝時代そのもの。が素敵。

お目てのふたり以外にダンサーで目が行ったのは、アラビアのメインを踊ったメリッサ・ハミルトン。この人、長身で筋肉質、強靱さとしなやかさを両立していて好きなのですが、このアラビアも身体能力をフルに発揮して、セクシーなのに下品にならない。もうひとつ、このプロダクションで個人的に評価しているのが、中国の踊りがヘンなオリエンタリズムになっていないこと。某ロシア系のプロダクションだと、チャイナ服を着たカップルがお箸のようなスティックを手に持って踊ったりするのだが、そんな東洋蔑視な感じはなく、見ていて純粋に楽しめた。

ロイヤル・オペラハウスのシネマはいつも幕間の映像やインタビューに凝っていて、ちゃんとお金かけているなと思う。今回は1幕の前に、ブリキの兵隊やねずみを踊るロイヤル・バレエ・スクールの子供たちへのインタビューが。みんな、憧れのスターダンサーと同じ舞台に立てるのを誇らしく思っているのが伝わってくる。幕間では、初演キャストのレスリー・コリアがサラとスティーヴンに指導する様子を見ることもでき、こちらも眼福だった。