ボリショイ・バレエinシネマ「ロミオとジュリエット」

2018/02/28 19:15上映 TOHOシネマズ府中

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ

振付:アレクセイ・ラトマンスキー

原作:ウィリアム・シェイクスピア

出演

ジュリエット:エカテリーナ・クリサノワ

ロミオ:ウラディスラフ・ラントラートフ

マキューシオ:イゴール・ツヴィルコ

ベンヴォーリオ:ドミトリー・ドロコフ

ティボルト:ヴィタリー・ビクティミロフ

2018年1月収録 上映時間184分

ラトマンスキーによる改訂版は今季の新作。相変わらず鬼難しい複雑なパが、素晴らしい身体能力のボリショイダンサーたちによって繰り広げられる。

冒頭、暗く落とされた照明の中、舞台装置が浮き上がってくるのがかっこいい。不安感をそそるセットはシュールレアリスムの画家ジョルジュ・デ・キリコ、ブルーやピンクが美しい衣装は初期ルネサンスの画家ピエロ・デラ・フランチェスカの絵からインスパイアされているそう。スタイリッシュでかっこいいステージなのだが、ラトマンスキーの振付はとにかくパが入り組みすぎていて、伸びやかな体の線を見せる”ため”がないのが、うーん、ちょっとなあ。。。パドドゥも超絶難しいのだが、慌ただしくて見ていて楽しめない。でも、彼の振付の「パリの炎」も、ナマの舞台は本当に面白かったので、これもナマで見てみたい。次回のボリショイ来日公演に持ってきてくれることを期待!

ダンサーにはあまり思い入れがないのだが、クリサノワはやはり美しくテクニックも確か。ラントラートフはだいぶお兄さんになっているけれど、ロミオを若々しく演じていた。ツヴィルコのマキューシオもよかったが、乱闘後の死のシーンは意外とあっさりなので、見せ場が少なくてちょっとかわいそう。

シネマのひとつの楽しみは幕間のトーク。今回は一瞬マリーヤ・アレクサンドロワが現れ、ラントラートフに親愛のキス。また、プロコフィエフの作曲当時のエピソードを。当初はハッピーエンドにしていたが、批判が多くて原作どおりの悲劇に戻したそう。マクミランが大好きな死体と踊るシーンも、当初はナシ。その理由は「死体は踊らない」から。面白すぎるー。